北海道天狗めぐり

山ブログ、"天狗"と名のつくピークや三角点をめぐる

※天狗以外 2021.6.8 恵山(617.6m)~海向山(569.4m)

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今回の登山遠征は北海道の”尾ビレ”の山を歩く、名付けて「はじっこtoはじっこツアー(ひとり)」です
せっかくの道南ですが山歩きの時間が一日しか取れなかったため、朝は恵山、午後からは松前の白神にある日本最南端の”天狗”を狙いました

今回は長くなったのでもくじを作ってみました

もくじ

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前日18:30頃の羊蹄山

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3:00頃、道の駅なとわ・えさんより

恵山

例の如く早朝出発で登山口の火口原駐車場を目指しましたが、麓の恵山つつじ公園から続く舗装路のゲートが開いてませんでした
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この時点で午前4時頃、ゲートの開通は6時からとのことで、2時間近くも待っていられないのでつつじ公園の駐車場に車を停めスタートすることにしました
ここからだと、"恵山モンテローザ"跡地の奥に入口のある「高原コース」を利用して海向山の登山道に接続することもできます

前回、恵山に登ったのは2年前の3月末頃で、そのときはゲートが冬期通行止めになっており登りは舗装路歩き、下りは高原コースで下山しました

高原コースはひどく長くて退屈だった記憶がありどうも気分が乗らず、今回も登りは舗装路を利用する事にしましたが、それだけではつまらないので展望台のある岬側の散策コースを迂回してみました

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もちろん誰も歩いていませんでした
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タニウツギが見事に花開いてました
タニウツギと言えば雨竜沼湿原樽前山7合目までの林道で見た印象が強いですが、それらよりも花が大きく目立つ気がします

f:id:Y_takahashi_Y:20210611184006j:plain気のせいですかね

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車中泊した道の駅からの道中、海に浮かぶ漁火がとても綺麗でした
夜はここの展望台から一望できそうです(クマには注意?)

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今回のメインであるサラサドウダンとのファーストコンタクトです

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昨秋、大沼の駒ケ岳で知り合った山仲間から「海向山のサラサドウダンがそろそろ良いのでは」との情報をいただき、今回は海向山でのゆったりフラワーハイキングを計画していました
(ちなみに当時函館市民だった彼女は遠方に引っ越してしまったらしく、一緒に登ることは叶いませんでした)

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が、この展望台からの眺めで恵山へ若干の浮気心が出始めます

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展望台周辺の尾根ではサラサドウダンが見頃を迎えていました

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サラサドウダンは北海道だと道南の方にしか分布しないので、私の地元ではお目にかかれない花です
私がこの花を初めて目にしたのは登別地獄谷の自然探勝路で、妖艶な花と名前の響きに魅了されたものです
変異が大きい花のようで、これはスモモのように濃いピンク色をしていて溜まらなくセクシーでした

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舗装路に向かって林道を降りていると、とある樹の前でバニラのような甘い香りが…

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アキグミかと思います
オリーブが白い粉を吹いたような葉をしていて、外来種かと思いましたが「北海道樹木図鑑(著・佐藤孝夫、亜璃西社)」によると「山野に生える落葉樹」、北海道西部に分布と書かれていて、どうやら自生しているようです

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笹の花が咲いていました
数十年に一度しか開花しないらしく、激藪で知られるチシマザサだと60~70年に一度などと言われています
ササは地下茎で繋がっているので広範囲に渡って一斉に開花し、花が終わると一斉に枯れるそうです

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何ササですかね?

f:id:Y_takahashi_Y:20210611194846j:plain真っ赤なルージュのようなサラサドウダンの花です
蜷川実花に撮ってほしいです

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もちろん誰も歩いていません

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1時間ほどの舗装路歩きで、火口原駐車場に着きました
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朝日をバックにした恵山があまりにも神々しく見え、海向山の前に急遽ピストンを決行しました

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エゾイソツツジの花が登山道の脇を賑わせていました

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前回、3月末に来たときはガンコウランが少々赤黒く見えた程度で完全に死の世界のようだったので、良い時期に来られて嬉しいです

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こんなに説得力のある「落石注意」標識もなかなかないんじゃないかと思います

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海×火山のよくばりセットな登山道です

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大したキツい登りもなく、素晴らしい景色を眼下にゆるゆると山頂へ至ります

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5:49 恵山
少し探しましたが、上の写真で言うと右下あたりに埋没しかけている三等三角点があります

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海向山目指して速やかに下山しました

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海向山

海向山の登山口は恵山の向かいにあります

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7時頃で、舗装路のゲートはとっくに開いているはずの時間でしたが、火口原駐車場に車は1台も停まっていませんでした

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道中、サラサドウダンが鈴なりで一人歓声を上げながら歩きました

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途中、杉の密生する林を通過します
道北育ちなので杉林を見ると非日常を感じて嬉しくなりますが、道南の人にとっては珍しくないんでしょうね

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分岐のようになっていますが左側の道が正しいです

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「右回りコース」と「左回りコース」の分岐に差し掛かります
今回は逆時計回りなので右の道を行ってみます

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恵山の荒々しい雰囲気とは打って変わって、トトロの森を彷彿とさせる深緑の道です
対照的な2コースがたかだか半日程度で楽しめるだなんて、贅沢すぎてまるでタイプの違う2人の女性に言い寄られるラブコメのようです

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このサラサドウダンは少し色白で、薄幸美人といった感じ

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ギンリョウソウ
真っ白で見るからに光合成をする気がない植物です
菌類から養分を得て生きています

(前略)つまり、直接的には菌類に寄生し、間接的には菌類と共生する樹木が光合成により作り出している有機物を、菌経由で得て生活している。

ja.wikipedia.org

キノコが樹木と共生しているという意味で「木の子」なのだとしたら、彼らは「木の子の子」なのかもしれませんね
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ゼンマイ
いつもイメージするのは山菜のあの姿ですが、開くとこうなるようです
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急にきつい登りになってきます

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急に視界が開けて、ヤマツツジがお出迎えしてくれます

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先ほど登った恵山
こうして見ると火山活動の跡が生々しいです
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f:id:Y_takahashi_Y:20210615140706j:plain尾根に出てからはさながら庭園のようでした

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これはオオバスノキになるんでしょうかね?
オオバスノキかウスノキか問題は、白滝天狗岳でも悩まされました
ウスノキの花は萼筒が角ばっているそうですが、実物を見てもどちらなのか確証が持てません

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7:58 海向山

正直、最初は「うみむかいやま」と読んでました

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恵山は三等、海向山には二等三角点があります
柱石の上部がコンクリートで補修されているようです
「海向山」の読みは、函館市HPだと「かいこうざん」とされていますが、”点の記”には点名「かいこうやま」と記されていて音読みと訓読みが混在しています

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山頂標柱のすぐ横でサラサドウダンが鈴なりになっていました
この辺りは恐らく今がピークなのでしょうね

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真っ青な海と相まってヤマツツジがハイビスカスのように見えてきます

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左から来たので下りは右の道を行きます

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こちらのコースは尾根直下のサラサドウダンが見事です

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同じ樹林帯でも植生の変化が顕著で飽きずに楽しめます

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こちらのコースは海向山の隣にある小さなポコに一度乗って下るので、アップダウンがあります

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背の低い樹木がトンネル状に覆いかぶさっていて可愛らしい森です

高原コース

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高原コースへの分岐はロープとピンクテープで目印がついていて、看板などはありません

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海向山登山道の下部は藪がほぼなく、作業道や鹿道のような踏み跡と交差しているところがいくつもあるため分岐と間違えそうになります
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前回、恵山からの下りで利用した時はもっと手前側の踏み跡をしばらく下ってしまっていました

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分岐からすぐはだだっ広い草原なので、正直どこが道なのかよくわかりません

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前回来たときはピンクテープもあまりついていなかった気がしますが、こまめに付けられていてありがたいです
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道中、温泉の配管設備がありますが今は使われていないようすです

ここを過ぎた辺りから、平坦な道から大きくジグを切って斜面を下り始めます

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あまり景色が変わらなくダレ始めるので、要所要所でショートカットしながら下ります

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斜面はなだらかで薮もありません

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ふと足元の灌木を見ると、なんと山椒の葉が茂っていました

サンショウはやはり道南特有の植生で、樹を見たのは初めてでした

葉は完全に開いていて、山菜としての食べ頃はとうに過ぎた感じですが若そうな葉を千切って匂いを嗅いでみると、まさにアノ山椒のいい香りがしました

下山後の昼食(ラーメン)のトッピングに、少し摘んでいくことにしました

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山中に似つかわしくない洋風の街灯が見えてくると、間もなく高原ルートの登山口です

これは恐らく、バブル期に建設され今はもう無きかつての巨大テーマパーク"恵山モンテローザ"の残骸だろうと思います

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3〜4年ほど前に観光で来たときは、恵山モンテローザのホテルや噴水などの廃墟が残っていましたが、今回は確認しませんでした

まだあるんでしょうかね?

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高原コース登山口からは舗装路を歩いてつつじ公園駐車場へ戻ります

ゲート手前から登って、往復で想定+2時間の山行となり朝から良いトレーニングでした

ちなみに

前々回訪れた"恵山モンテローザ"廃墟のようす